歯周病とは、歯を支えている骨が歯周病菌により破壊され、歯を失う病気です。
虫歯も歯周病も細菌感染です。プラークが繁殖して、歯周病菌の塊である歯石が歯に付着し,歯の周りの組織が破壊されて、歯周病になります。
歯周病により、約4割の歯が失われています。

うみ(膿)とは、バイ菌と戦ったあとの白血球の残骸で、私たちの健康を守ってくれる「免疫力」を示します。
細菌の動き回るスピードが速く、白血球が食べることのできない菌や食べようとしても、白血球より大きい細菌、白血球を食べる細菌など400種類いるといわれている細菌の中には、いろいろな性格があり、
白血球が食べようとしても、食べられないバイ菌などが口腔内に多くいる場合、歯の周りはいつも戦場のような状態になり、歯を取り囲む歯ぐきや、歯槽骨という骨は、そのため破壊され、 中等度、重度など歯周病はランクが進み、最後には、歯を支える組織は破壊されつくして、歯が抜けてしまいます。

歯周病の種類

歯周病の種類

歯肉炎・・・歯と歯ぐきの境界に、プラークが付着することにより起こる慢性炎症です。
歯ぐきなどに炎症はありますが、歯槽骨までは炎症が波及していません。
したがって、レントゲン写真で見ると歯の周りの骨は吸収されていないのがわかります。

歯周炎・・・1と同様に付着するプラークによって、引き起こされます。
歯周炎は歯肉、歯根膜、歯槽骨まで炎症が波及して、歯槽骨の破壊、吸収が生じます。

咬合性外傷・・・歯肉炎、歯周炎とは異なる疾患。
咬合力により引き起こされます。
歯周組織がくいしばりや歯ぎしりなどで、外傷性変化をおこします。
歯根膜という、歯と骨の間にある組織が破壊され、歯槽骨も破壊、吸収が生じます。
中等度~重度の歯周炎では、咬合性外傷を伴うことが多いです。

歯周病の進行

健康な歯周組織

健康な歯周組織
歯周病は歯肉溝からはじまります。

次の段階

歯肉炎

歯肉炎
歯肉溝にプラークがたまり、歯肉が炎症ではれて、歯肉ポケットになりました。まだ歯根膜や歯槽骨は破壊されていません。

次の段階

軽度歯周炎

軽度歯周炎
歯肉のはれが大きくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入し、歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめました。ポケットが内部に向かって深くなり、歯周ポケットになっています。プラークや黒っぽい歯石が歯周ポケットにたまっています。

次の段階

中等度歯周炎

中度歯周炎
炎症がさらに拡大して歯槽骨も歯の根の長さの半分近くまで破壊され、歯がぐらつきはじめました。歯周ポケットもさらに深くなっています。

次の段階

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重度歯周炎
歯槽骨が歯の根の長さの半分以上破壊され、歯はグラグラです。

次の段階

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歯の脱落
最後に歯が抜けてしまいます。

「新 歯周病をなおそう」砂書房より引用

<歯周病の症状>

歯周病の症状

歯周病の症状

歯肉炎

*歯ぐきの腫れ。
*歯ぐきからの出血。

歯周炎・・・(歯肉炎の症状に加えて)

*歯と歯ぐきの付着の破壊。
*歯と歯ぐきとの溝が深くなり、歯周ポケットと呼ばれる3mm以上の深い溝が形成される。
*さらに炎症が進むと、歯槽骨の吸収がおこる。
*歯の動揺。
*歯の病的移動。
*細菌が増殖して、バイオフィルムを形成し特有な口臭を生じる。
*歯周ポケットから、うみ(膿)が出る。
*歯ぐきにうみ(膿)がたまり、膨らみを持つ。歯肉膿瘍といいます。

咬合性外傷

*咬合した時に、歯の動揺がみられる。
*歯根膜という、歯と骨の間にある組織が外傷により、 炎症がおこり、開いて隙間が出来てくる。
*歯槽骨の吸収がみられる。